お嬢様になりました。

書斎に入るとお祖父ちゃんが笑顔で迎えてくれた。



「仕事してたの?」

「あぁ」

「あんまり無理しないでね」

「そうじゃな、気を付けるとしよう」



私がソファーに腰掛けると、お祖父ちゃんも椅子から立ち上がりソファーに座り直した。



「明日なんじゃが、学校が終わったら真っ直ぐ帰ってきてほしいんじゃ」

「明日? 分かった。 何かあるの?」



明日は勉強は家でするしかないかな。


本当は勉強休みにしたいところだけど、そうも言ってらんないもんね。



「明日知り合いのパーティーに招待されておるんだが、葵の事を紹介したいんじゃよ」

「パーティー!? 私なんかが行っても大丈夫なの!?」



しかも明日って……。


急すぎる……。



「そんなに堅苦しいパーティーじゃないから、そう身構えずともよい。 ワシは葵と行きたいんじゃよ」



お祖父ちゃん……。


お祖父ちゃんの温もりの篭った眼差しを受け、私は頷いた。



「分かった。 明日学校が終わったら真っ直ぐ帰ってくるね」

「すまんな、無理を言うて」



私は笑って首を横にふった。


お祖父ちゃんはホッとした様な顔になり、ゆっくりソファーから腰を上げた。



「今から出かける事になってしまってな、すまんが夕食は一人でとってくれんか」

「あ、うん。 分かった」



だからスーツ着てたんだ。


私はお祖父ちゃんと一緒に書斎を出て、玄関でお祖父ちゃんを見送った。