お嬢様になりました。

迎えの時間になり、帰り支度をして私は図書室を後にした。


校門のところには長くて黒いリムジンが止まっていた。


そして校内を眺めるように、後部座席のドア前には荒木さんが真っ直ぐ立っている。



「葵お嬢様、お帰りなさいませ」



そう言うと荒木さんはいつものようにドアを開けた。



「ありがとうございます」



私は車の中に乗り込み、深く腰掛けた。


車は静かに発車し、私は外をじーっと眺めた。


今までは自転車で学校に通ってたのに、転校してからはずっと車移動。


体を動かすのは基本的に体育の時間だけ。


運動不足な気がする。


テストが終わったら運動不足の解消法考えないとなぁ……。


色々と考えている内にあっという間に家に着き車が止まった。



「葵お嬢様」



車から降りると直ぐに荒木さんから声を掛けられた。



「はい?」

「旦那様からお話したい事があるので、帰ってきたら書斎までくる様にとご伝言を承っております」



話って何だろう?


私は家の中に入ると、自室に行かずに真っ直ぐ書斎に向かった。