お嬢様になりました。

「変な女」



へ、変な女!?


どこが!?



「あんたの方がへ……んッッ!?」



いったぁー……。


突然腕を引かれ、私は本棚に背中をぶつけた。


顔を上げると直ぐ目の前には男子生徒の整った顔。


男子生徒は本棚に手をつき、私は完璧本棚と彼の間に挟まれてしまった。


彼の綺麗な瞳に真っ直ぐ見つめられ、私は身動きを取る事が出来なかった。



「あんた名前は?」



そんな近くで喋んないでッッ!!


そう言いたいのに突然の事に私は何も言えなかった。



「名前」

「ほ、宝生院……あお、い……」

「あんたが宝生院……?」



な、に?


物珍しいものを見るかの様な目で、男子生徒は私の顔をマジマジと見ている。


流石にこれは恥ずかしい……。


でも無理に動いたら唇が触れちゃいそうで、心臓がバクバクなりながらもどうする事も出来なかった。


……え?


視線だけを下に向けあれこれ考えていると、ふいに唇に柔らかい感触がした。


キ、ス……?


そう思った時には唇から柔らかい感触は消えていて、私は呆然と男子生徒を見つめた。