お嬢様になりました。

家に帰り着き自分の部屋に入るなり、私は思いっきりベッドにダイブした。



「あぁー疲れたぁぁぁー……」



なんちゅう濃い転校初日。


思い出しただけでもムカつく。


海堂の奴……。


ーコンコンコン……。



「はぁーい」



私はベッドにうつ伏せになったまま返事をした。


起き上がる気力が湧かない。



「失礼致します」



この声は……



「荒木さん、どうかしたんですか?」



顔だけを向け、荒木さんを見上げた。



「旦那様が葵お嬢様とお話をなさりたいとの事ですが、以下がなさいますか?」

「お祖父ちゃんが?」

「はい。 お疲れの様でしたらその旨旦那様にお伝え致しますが、以下がなさいますか?」

「いえっ!! 着替えたらすぐ行きますからお祖父ちゃんにそう伝えて下さい!!」

「畏まりました」



あっ!!


一礼して部屋を出て行こうとする荒木さんの背中に声を掛けた。



「あのっ!! お祖父ちゃん何処にいます?」

「旦那様は居間にいらっしゃいます」

「分かりました。 ありがとうございます」



荒木さんが部屋から出て行き、私はベッドから飛び降りた。