お嬢様になりました。

一年の時の事だった。


華との待ち合わせ場所に着くと、華は知らない男たちにナンパされていて今にも泣きそうな顔をしていた。


なんとかしないと、そう思って華の所へ駆けだした瞬間、華と男たちの間に割って入ってくれたのが竜樹だった。


案の定竜樹と男たちは喧嘩になり、私は華を連れて近くに避難した。


一対三という圧倒的に不利な状況にも関わらず、竜樹は怪我を負う事なく男たちをやっつけてしまった。


それが私たちと竜樹との出会いだった。



「まだ喧嘩してんの？」

「まぁー売られりゃ買ってる」

「そうなんだ」

「心配してくれてんの？ 案外可愛いとこあんじゃん」



ニタニタ笑っている竜樹。


そんな竜樹に一喝してやった。



「調子にのんな」



そんな私の言葉に竜樹はお腹を抱えて笑い始めた。


華も訳がわからずキョトンとしている。


頭可笑しくなった？



「腹いてぇー！！」

「なんなの？」

「ありがとな」



ニカっと笑う竜樹は子供みたいだった。


そんな竜樹に私も笑って返した。


華もそうだけど、竜樹とも仲良くなれて良かった。


二人のおかげで私の高校生活は凄く楽しい。