お嬢様になりました。

女の子は少し気まずそうに口を開いた。



「その……宝生院さんのお家なら大丈夫かと思いますが、海堂さんをあまり怒らせない方がいいと思いますわ」



怒らせない方がいいって言われてもなぁ……。


できる事なら私も平和に過ごしたい。



「怒らせるつもりはないし、さっきのだって何であいつが怒ってたのかもよくわかんないんだよねぇ……」

「とてもプライドの高い方ですから……。 それに、海堂さんにあんな口を聞く方いらっしゃいませんから、腹を立てられたのかもしれませんわ」



何それ。


自己チュー俺様ヤローじゃん。


嫌なタイプ。



「ありがとう、心配してくれて」

「いえ、そんな……」



照れているのか、頬をほんのりピンク色に染める女の子を見て心がちょっと和んだ。



「今日から宜しくね。 私の事は葵って呼んで」

「こちらこそ宜しくお願い致します。 私、神園 芽衣(カミゾノ メイ)と申します」

「あのさ芽衣、そんなに堅苦しい言葉遣いじゃなくていいよ」

「ごめんなさい……でも、お家でもこんな感じですのでお気になさらないで下さい」

「家でも!?」



家で敬語使うなんて、息が詰まっちゃいそう。


恐るべし、本物のお嬢様……。