お嬢様になりました。

何でこんなにジロジロ見られるの?


嫌な感じではないけど、落ち着かない。



「一番後ろの右から二番目の席を使え」

「はい」



席の間を通っている間、横からも背中からも視線を感じた。


私からしてみれば、このクラスの人たちの方が珍しいよ。



「おい」



席につこうとした時、声をかけられた。


隣を見ると、鋭い目付きで私を見上げるオレンジ頭の男と目があった。


この人たんに目付きが悪いのか、それとも私を睨んでるのか、どっちなんだろう。



「お前、あの宝生院?」



あの?



「どの宝生院の事を言ってるのかわかんないんだけど」

「あ? お前俺に喧嘩売ってんのかよ」



はぁ?


何なのこいつ。


この態度のでかさ……喧嘩売ってんのはあんたの方でしょ!?


私は男から顔を背け、静かに席についた。



「お前、俺が誰だか分かってんのか」



怒りを含んだ低い男の声。


別に怖くはなかった。


いつも竜樹と一緒にいたからかもしれない。


あいつの周りはもっと怖い人たちばっかりだった。


私は隣の男を睨み付けた。



「今日転校してきたんだから知るわけないじゃん」