お嬢様になりました。

兎に角みんなの視線を気にしない様努め、理事長室に向かった。


向かった筈だった。


理事長室って何処!?


分からなくて何人かの生徒に聞いたが、やっぱり迷ってしまった。


こんなに広いのに地図一つ用意してないってどういう事!?


マジあり得ない。



「ここ何処ー?」



さっきまで人がいたのに一人もいなくなっちゃったよ。


間違えたって事だよね?


とりあえず引き返そう。


またうろちょろと理事長室を探していると、曲がり角を曲がったところで誰かにぶつかってしまった。



「いったー……」



尻餅ついたお尻をさすりながら、慌ててぶつかった人に声をかけた。



「ご、ごめんなさいっ!! 大丈夫ですか!?」



物静かそうな男子が私を見てキョトンとしていた。


だけどその顔がだんだん青ざめていく。



「す、すみませんッ!!け、怪我とかッされてませんか!?」

「私は大丈夫!! ごめんね、私が周りを見てなかったがばっかりに……」



転校初日にやらかすなんて、最悪。


私は立ち上がり、男子に向かって手を出した。