「葵お嬢様」



煩いな……。


……誰?



「葵お嬢様、起きて下さい。 学校に遅れてしまいます」



学校?


がっこー……ッ!!


今日転校初日じゃんッ!!


私はバッと布団を捲り、急いで飛び起きた。



「今何時!?」

「六時半でございます」



ん?


……誰?


首を後ろに倒さないと顔が見えないくらい大きな男性が立っていた。


この人も浅賀さんと同じ様に燕尾服を着てる。



「葵お嬢様、おはようございます。 ご気分は如何ですか?」

「お、おはようございます……あの、どちら様ですか?」

「ご挨拶が遅くなり申し訳ございません」



そう言うと目の前の男性は腰をおり深々とお辞儀をした。



「今後身の回りのお世話をさせて頂きます、荒木と申します。 宜しくお願い致します」



はい?


身の回りのお世話?



「ちょ、ちょっと待って下さいッ!! 意味が分からないんですけどッッ!! お世話って何ですか!?」

「私、葵お嬢様の執事ですので、葵お嬢様が生活等に不憫がない様精一杯サポートさせて頂きます」



執事!?


執事ってそんなポンポンついちゃうもんなの!?


お金持ちって何なんだろう……。