お嬢様になりました。

私はお祖父ちゃんに首を横に振って見せた。


浅賀さんの方に向き直すと、浅賀さんはとても真剣な面持ちだった。



「浅賀さん、ありがとうございます。 浅賀さんがそう言ってくれなかったら、私そんな事考えもしなかったと思います」

「出過ぎたまねをしてしまい申し訳ありません。 どんな処罰でも受ける覚悟でございます」



浅賀さんに深く頭を下げられ、私は慌てて立ち上がった。



「や、止めて下さいッ!! 処罰なんて考えてませんから!! だから頭を上げて下さい」



浅賀さんがゆっくり頭を上げ、私は微笑んだ。


お祖父ちゃんはそんな私たちの様子を見守ってくれている。



「お祖父ちゃん、私鳳学園に転校する」

「本当にそれでよいのか?」

「うん、いいの。 それにね、鳳学園って実は子供の頃から行きたい学校だったんだよね」



お婆ちゃんの事を思うと、胸がじわっと熱くなった。


とっくの昔に諦めた筈の鳳学園に入れるんだ。



「お婆ちゃんの母校だから……。 だから憧れてた。 でも私の頭じゃ到底無理で、諦めて今の高校に入ったんだ」

「そうじゃったのか……」

「私も鳳学園でお祖父ちゃんみたいな素敵な人見つけるよ」



私たちは笑い合い、部屋の中は穏やかな空気に包まれた。


鳳学園でお婆ちゃんとお祖父ちゃんは出会った。


そんなお婆ちゃんの思い出の詰まった学校を見たかった。