お嬢様になりました。

「差し出がましいかもしれませんが、ご提案をさせて頂いても宜しいでしょうか?」



浅賀さんはテーブルの上に紅茶の入ったティーカップをセットしながら、静かに口を開いた。



「聞かせてもらおうかのう」

「ありがとうございます。 葵お嬢様の学校の件ですが、鳳学園へご転校されては如何ですか?」



ん?


今何て?


まさかそんな事を言い出すとは思っていなくて、信じられない思いで浅賀さんを見てしまった。



「これからは葵お嬢様も色んな方々とお会いする機会があるかと思いますので、鳳学園へ通われればいざという時の為に、マナー等の教養が自然に身に付くかと存じます」

「それはそうじゃが……」



お祖父ちゃんの困った様な視線が注がれ、変な汗が背中を伝った。



「私なんかがあんな凄い学校に入れるとは思えないんですけど……。 転入試験なんて絶対に受かりませんよ……」



絶対無理に決まってる。


行けるものなら行ってみたい。


その気持ちが全くない訳でもない。


だけど転入試験なんて普通に受験するより難しそうだし、今から勉強会し始めたって試験を受けられるレベルになるのなんていつの事になる事やら……。