お嬢様になりました。

「それでも、ワシは後悔ばかりじゃ。 あの時菊代を強く説得しておればと、無理にでも傍においていればと思わずにはおられんよ」

「これからは私がいるよ」



お祖父ちゃんは私の顔を見ると、目尻にたくさんの皺を寄せた。


お婆ちゃんの想いの分だけ、お祖父ちゃんにはたくさん幸せになってもらいたい。



「私はこれからどうしたらいい?」

「そうじゃなぁ……」



お祖父ちゃんが口を開いた時、ドアが三回ノックされた。


ドアが開くとカートを押しながら浅賀さんが部屋に入ってきた。



「大変お待たせ致しました」

「いえ、わざわざすみません。 ありがとうございます」

「とんでもないです。 お口に合うと良いのですが……」



浅賀さんは慣れた手つきでティーカップに紅茶を注いでいる。


いい香り。


私がいつも買ってるスーパーのティーパックとは、比べものにならないくらいいいものなんだろうな。



「今の生活を変えとうないなら、そのままでおればよい」

「じゃあ学校もバイトも今のまま続けていいの?」

「葵がそれを望むならそうすればよい。 じゃが、アルバイトは少し減らしてはどうじゃ?」



そうだよね。


もう別に生活の為に必死に働く必要ないんだもんね。



「うん、バイトは日数減らしてもらうね」