お嬢様になりました。

あいつに気持ちを伝えたい。


でも怖い。


初めて会った時みたいに冷たい目で見られたら?


冷たくあしらわれたら?


そう思うだけで胸に痛みが走る。



「正式に婚約解消されたわけじゃないだろう?」



私は下唇を噛み締め、首を横に振った。



「わっ、かんない……」



スカートをギュッと握りしめ、下を向いた。


これ以上玲の顔を見ていられなかった。


酷い泣き顔を見られたくなかったのかもしれない。


観覧車が揺れ、玲の足が動いた。


足の動きが止まり、玲は隣に座ると同時に私の肩を抱いた。



「海堂の居場所、知ってるよ」

「え……?」



パッと顔をあげ、玲の顔を見上げると、玲は切ない顔をしていた。



「ハワイにいる」

「は、わい……?」



ハワイって……日本に居ないの?


そんな遠いところにいるんだ……。



「そ、ハワイ。 気持ち伝えておいで」

「でも……」

「でもじゃない。 もしも傷付く事があったら、その時は俺が葵を抱きしめて離さない。 だから、自分の気持ちをぶつけておいで」