お嬢様になりました。

夕方の観覧車の中に玲と二人きりで、向き合って座っている。


今回は前みたいにドキドキする気持ちはなくて、とても穏やかな気持ちだった。


薄暗くなった景色から視線を外し、玲の方に顔を向けると、凄く真剣な瞳をした玲と視線がぶつかった。



「……玲?」

「葵、好きだよ」

「っ……」



突然の告白に、心臓がギュッと締め付けられた。


静かな空間の中、自分の心臓の音がやけに大きく聞こえた。



「玲、私……」

「海堂が好き?」



ばれてたんだ……。


それ以上に玲に心の中を見透かされてる様で、ドキドキした。


隆輝の事を想うと心拍数が上がっていく。


自覚する前は隆輝の言動に苛々して鬱陶しく感じていたのに、今はあいつの存在が愛しくて堪らない。



「好き……っ。 隆輝がっ、好き……」



唇が震え、涙が零れた。


こうして想いを言葉にすると、堪えていた感情までもが込み上げてくる。



「でもっ……もうダメなの……っ」

「どうして?」

「婚約解消した、から……だ、からっ、もう……」

「それでいいの? まだ気持ちを伝えてないんじゃないの?」



玲の顔が更にボヤけていく。