お嬢様になりました。

「宝生院さんっ!!」



玲と二人で山口君の描いた絵を見ていると、後ろから名前を呼ばれ振り返った。



「山口君!! 入賞おめでとうっ!!」

「わざわざ見に来て下さってありがとうございます。 賞を取れたのは宝生院さんのおかげです」

「違うよ。 山口君が頑張ったからだし、山口君の力だよ!!」



想像以上の出来上がりに、見た瞬間自分の目を疑った。


花に包まれた私が光に照らされ、微笑んでる絵は、別人の様に見えた。


言われなかったら、この絵と私が同一人物なんて思わないと思う。



「海堂君といらっしゃるかと思ってました」

「あー、うん。 あいつ忙しいみたいなんだ。 だから写真撮って見せとくね」

「そうなんですね。 海堂君にもお礼を言いたかったんですが、またの機会にしておきます」

「お礼?」

「ここまでイメージが湧いたのは、温室で描かせてもらえたおかげです。 海堂君が許可を取ってくれなかったら、僕では入ることは出来ませんでしたから」



入学したばかりの私でも許可が取れたか分からない。


隆輝が鳳理事長から信頼されてるから、許された事かもしれない。


山口君は頭を下げると、忙しそうに何処かへ行ってしまった。


いろんな人に挨拶して廻ってるんだろうな。