お嬢様になりました。

時はあっという間に流れ、気付けば冬休みに突入していた。


事件の後、一度も隆輝とは会っていない。


隆輝が学校に来なかったから。


意気地なしな私は、メールを送る事も電話を掛ける事も出来なかった。



「葵の良いところをよく活かしてる」

「こんなに綺麗に描いてくれてるとは思ってなかった。 山口君に感謝しなくちゃ」

「山口君の才能もあるかもしれないけど、それ以前にモデルが良かったんだよ」

「あはは、ありがとう」



私がモデルを務めた山口君の絵は、コンクールで特別賞を受賞した。


今日は玲と二人で受賞した作品が並ぶ展示会へ、足を運んだ。



「それにしても、どうして教えてくれなかったの?」

「恥ずかしかったから」

「海堂は知ってたのに?」



心臓が微かに飛び跳ねた。


最近は隆輝の名前を聞くと、ドキドキしてしまう。


重症だ。



「教えたんじゃなくて、勝手に知っちゃったの」



美術室に乗り込んできた時の隆輝の姿を思い出すと、自然と頬が緩んだ。


あの時はまさかの展開に唖然として、怒り爆発だったけど、今思えば本当に不器用な奴なんだなぁーって思う。