お嬢様になりました。

苦笑いを浮かべるお祖父ちゃん。


その目には後悔の色が浮かんでいた。



「まともに会話のない生活が数年続き、もう耐えられないと言われた。 もう私は貴方の元には居られないと……その時の菊代の目が今でも忘れられんよ」

「お祖父ちゃんは何て答えたの?」

「何も……」

「えっ!?」



何もって何!?


何で!?


唖然とお祖父ちゃんの顔を見ていたら、お祖父ちゃんはフッと笑みを零した。



「何も言えるはずがないじゃろう。 仕事がいつ落ち着くかも分からぬのに、どれほどお前を愛しておると言うたところで、菊代に更に辛い思いをさせるだけだと思うたんじゃ。 ワシの身勝手のせいでこれ以上菊代を縛りとうなかった」



お祖父ちゃんもお婆ちゃんもこんなにお互いの事を想っていたのに、離ればなれになっちゃったんだね。


私がお婆ちゃんだったらどうしたかな。


離れる方が辛くて耐えられなかったかもしれない。



「ワシとの事が菊代のご両親に暴露てしまってな……菊代は勘当されてしまったんじゃ」

「かん、どう?」

「そうじゃ。 だからワシはできる限り生活の援助をさせて欲しいと申し出た」