お嬢様になりました。

ウェディングドレス姿の私。


隣にはストーカー男。


逃げたいのに体がいう事を効かない。



「おめでとう」



その言葉に振り返ると、隆輝が橘さんと腕を組んで立っていた。


二人は仲睦まじく寄り添い、笑顔で拍手してくれている。


やめて……。


二人で笑って祝福なんてしないで!!


鳴り響く鐘の音。


隆輝のところに行きたいのに、足が動かない。


それどころか何故だかどんどん遠退いていく。



「行こう」



ストーカー男に腕を引っ張られた。



「離してっ、触らないでっ!! 私はあんたなんかと結婚しない!! 隆輝ッ!! 私は隆輝の事が……」

「葵お嬢様っ!!」

「っ……!?」



大きな声で遮られ目を開けると、目の前には見慣れない男性の顔があった。


この人確か……。



「内藤さん……?」

「はい。 葵お嬢様大丈夫ですか? 随分魘されておりましたが……」

「……魘されてた?」



体を起こしソファーに腰掛けると、体が小刻みに震えていた。


それに汗かいてる。


そっか……夢、だったんだ……。



「良かった……」

「今お飲物をご用意致しますね」



そう言って内藤さんは可愛らしい笑みを零して、準備を始めた。