お嬢様になりました。

口は悪いけど、そう言ってもらえて嬉しかった。



「ありがとう。 でも、竜樹だって私に隠してる事あるじゃん」

「はぁ? 俺は別に隠し事なんてねぇよ」



竜樹は手を引っ込めると、腕組みをして眉間にシワを寄せた。


華の顔をチラッと見ると、私の言いたい事がわかってるのか、顔を赤く染め固まっていた。



「華とデートしたんでしょ? 遊園地デート!!」

「なっ……」

「詳しく聞かせなさいよ!!」



慌てふためく竜樹の袖をちょこんと握る華の手を見て、確信した。


そっか、上手くいったんだ。


幸せな気持ちで心が満たされ笑みが零れた。



「おめでとうっ」



私の言葉に二人は顔を見合わせ、お互い照れ笑いを浮かべた。


微笑ましい光景。


竜樹は華の手を取り、深呼吸をした。



「俺ら付き合う事になった。 華に不安な思いも心配もさせねぇ。 大事にする」

「ぷっ」

「あぁ? 何か笑ってんだよ!!」

「ごめん、ごめん。 なんか華の母親になった気分なっちゃった。 華を泣かせたりしないでよね」

「んなの分かってるっつーの」



竜樹の隣ではにかむ華の幸せそうな顔は、同性の私でさえドキドキしてしまう程可愛かった。