お嬢様になりました。

本当に怖かった。


もうダメかと思った。


またこうしてお祖父ちゃんと会えて良かった。


お祖父ちゃんに辛い思いをさせずに済んで良かった。



「……っ」



お祖父ちゃんの温かさに涙が溢れた。


ボロボロと涙を零す私の頭を、優しく撫でてくれるお祖父ちゃん。


私生きてる。


そう改めて実感すると、胸の奥からドンドン熱いものが溢れてくる。


その代わり、未だに残る恐怖と高ぶる感情が少しずつ鎮まっていく。



「ずっと側におる。 じゃから今は何も考えずにゆっくり寝なさい」

「うん……っ。 お祖父ちゃん、ありがとう」

「葵はワシにとってかけがえのない存在じゃ……お前の側に居られるだけでワシは幸せじゃよ」

「私も……だよ……」



お祖父ちゃんの大きくて温かい手が心地よくて、私は穏やかな気持ちで眠りについた。