お嬢様になりました。

玲の綺麗な笑顔を見ると、現実じゃなくて夢の中にいるみたいな感覚に襲われる。


隆輝の感情の読み取れない静かな視線を感じると、泣きそうになる。


私はいったい何を求めて何を望んでるんだろう。



「これ、宜しければ召し上がって下さい」

「ううん、大丈夫だよ。 気持ちだけもらっとくね……ありがとう」



芽衣が差し出してきたプリンを、そっと押し戻した。


すると芽衣はプリンののったガラスの容器を、力強く押し返してきた。



「いけませんわ。 これくらいでしたら召し上がれるでしょう?」



私ってダメな奴。


隠してるつもりで全然隠せてないんだろうな……みんなに気を使わせてる。


隆輝と橘さんは気なんて使ってないかもしれないけど、それでも私のせいで、嫌な気分にさせてるかもしれない。



「ありがとう」



プリンを受け取ると、芽衣が花の様に可憐な笑みを零した。


その笑顔を見てホッとした。


スプーンでプリンをすくい上げ、口に入れると芽衣は更にニッコリと微笑んだ。


だけど玲は心配そうな顔で私の事を見ていた。


そんな顔してほしくないのに、そんな顔をさせてるのは私の所為だよね。


このままじゃダメ。


どうにかしなきゃ……。