お嬢様になりました。

玲は私の中では特別な存在だった。


その特別がどういうものなのかさえ分からないのに、何故か特別な存在の様に思える不思議な人。



「海堂君とお似合いなんじゃないかなって思ってたけど、葵が今のままでいいならもう何も言わない。 婚約解消してもらった方が良かったんだもんね?」

「うん、そうだよ。 婚約解消……それが私にとっても隆輝とっても良い事だったと思う」

「そっか、じゃあやっぱり玲君と付き合うのがいいんじゃない?」

「なんで玲なの? 私なんかじゃ釣り合わないよ」



玲は生まれながらにしてお金持ちのお家の子で、世界で活躍するスーパーモデル。


私とは価値観も違えば住む世界も違う。



「美男美女でとってもお似合いだよっ。 それに、玲君は葵の事大好きなんだと思うよ? ううん!! 絶対そうだよ!!」

「ぷっ、あははっ」

「もう!! 何でそこで笑うのー!?」



興奮気味に身を乗り出す華を見て、思わず吹き出して笑ってしまった。


本当、可愛い。


私にもこの可愛さが少しでもあればいいのに。



「華こそ竜樹とどうなの?」



私の言葉にボッと顔を真っ赤にする華。


耳まで赤く染まっていく。


この女の子らしい反応も、きっと私には足りないんだろうな。