お嬢様になりました。

この短時間で分かった事。


それはお祖父ちゃんがとてつもなくお金持ちだという事。


私、選択間違えたかもしれない。



「中で旦那様がお待ちですのでご案内致します」

「はい、宜しくお願いします」



ペコッと頭を下げると、浅賀さんはニコッと大人な笑みを見せた。


私はおとなしく浅賀さんの後ろについて歩いた。


お屋敷の中に入り、またしても信じられない光景を目の当たりにした。



「葵お嬢様、お待ちしておりました」



左右にズラッと並んだメイド服を着た女性たちが出迎えてくれた。


これだけ人数がいるのに綺麗に声が揃っていて、驚くというよりも感激してしまった。



「あの、お嬢様は止めて頂きたいんですけど……」

「いいえ、私どもこのお屋敷に務める者たちにとって貴女様は大切なお嬢様でございます。 ですから、どうかお嬢様とお呼びする事をお許し下さいませ」



背筋をピンッと伸ばした黒髪を一つに束ねた女性が張りのある声でそう言った。


お許し下さいも何も、私の方が恐縮しちゃうんですけど……。