お嬢様になりました。

周りからの視線を感じ、居た堪れなくなった私は覚悟を決め車に乗り込んだ。


何このシート!!


うちのソファーより柔らかいっ!!



「それでは出発致します。 冷蔵庫がございますので、喉が乾いた際にはお好きなものをお飲み下さいませ」

「は、はい。 ありがとうございます」



冷蔵庫!?


言われてマジマジと車内を見渡すと、確かに小さなボックスタイプの冷蔵庫が取り付けられていた。


グラスの種類も豊富。


それにお酒も沢山並んでいる。


恐る恐る冷蔵庫を開けると、中には沢山のソフトドリンクが並べられていた。


アイスティー、オレンジジュース、グレープフルーツジュース、牛乳……。


ここ本当に車の中?


思わず疑ってしまったが、窓の外の変わっていく景色を見て、確かに車の中だと実感した。


リムジンなんて映画だとかドラマの中だけの乗り物だと思ってた。


自分が乗る日がやってくるなんて思ってもいなかった。


今でも信じられない気持ちでいっぱいだ。



「もう間も無く到着致します」



一時間くらい経った頃、運転席から西野さんにそう告げられた。


車が車だった為、何だか身構えてしまう。