お嬢様になりました。

エレベーターが一階につき慌てて飛び出すと、エントランスでさっきの男性が綺麗な姿勢で直立して待っていた。


その様子に余計焦ってしまい、私は更に急ぎ足でエントランスに向かった。



「お、お待たせしてすみませんっ!!」

「葵お嬢様お止め下さいッ!! 私の様な者に頭を下げてはなりませんッッ」



頭を下げていると焦った男性の声が頭上から降ってきた。


ん?


ちょっと待って。


今葵お嬢様って言わなかった!?



「お、お、お嬢様って!? えっ!? 私の事ですか!?」

「勿論でございます。 私宝生院様の運転手を務めております、西野と申します。 どうぞ宜しくお願い致します」



西野さんに深々と頭を下げられ、今度は私の方が焦ってしまった。


あたふたしていると、顔を上げた西野さんに促され私は足を進めた。


車までたどり着き、西野さんがご丁寧にドアを開けてくれた。


車を見て私は思わず息を飲んだ。



「あの……本当にこの車ですか?」

「はい、このお車でございます」



絶対今の私の顔引きつってるよ。


だってこれリムジンって奴でしょ!?


お祖父ちゃん、貴方いったい何者ですか!?