お嬢様になりました。

仏壇の前でみんなと話をしていると、インターフォンがなった。


時計を見ると針は九時ちょうどをさしていた。


もうこんな時間!?


話に夢中になり過ぎていて、時間の事をすっかり忘れていた。


私は急いでリビングに向かい、エントランスに繋がる受話器を持ち上げた。



「はい、大石です」



ディスプレイには髪の毛をオールバックにした年配の男性が立っていた。



「宝生院様のご指示によりお迎えに上がりました」



えっ!?


宝生院様って……お祖父ちゃんの事だよね!?



「わ、分かりました。 今降りるので、少し待ってて頂けますか?」

「畏まりました。 私は此方でお待ちしておりますので、ごゆっくりご準備なさって下さい」



ディスプレイに映る男性が礼儀正しくお辞儀をするものだから、私までディスプレイに向かってお辞儀をしてしまった。


受話器を戻すとディスプレイは消え、ドッと肩から力が抜けていった。


お祖父ちゃんが迎えに来てくれるんじゃなかったの?


だいたい今の人、誰?


あの人あそこで待ってるって言ってたよね!?


急いで降りなきゃっ!!