お嬢様になりました。

複雑な想いに心が揺らぎながらも、私は指を動かした。



「今日のあの態度は何なの……って、こんな出だしだったら隆輝の奴、全部読まずにメール消しちゃいそうだよねー……」



ベッドの上でゴロゴロと何度も体制を変えながら、隆輝に送るメールの内容を考えた。


打っては消し、打っては消しの繰り返し。



「今日はごめん……って、何でしょっぱなから私が謝んなきゃいけないのよ!!」



あーもうっ!!


何で隆輝に送るメールで、こんなに頭悩ませなきゃなんないのよ!!


これだけ考えてまとまんないんだから、もう考えずに思ったまま打とう。



隆輝へ……

隆輝の用事も大切だったのかもしれないけど、私にとっては山口君との用事だって大切な用事だった。

コンクールに応募する為の絵の協力をしてるの。

それなのに事情も聞かないで怒って、終いには山口君を殴るなんて……あんまりだよ。

別に私に謝る必要はないけど、山口君にはちゃんと謝ってほしい。

それと……私もカッとなって怒っちゃってごめん……。

じゃあ、また明日学校でね。





「送信っと……」



謝るのはちょっとシャクだけど、なんか胸につっかえる感じもあるし、これでいいんだよね。


よくわかんないけど、もう送っちゃったし、考えるのはやめやめっと。


よしっ、着替えよう。


私は携帯をベッドに放り投げ、ソワソワする気持ちを誤魔化す様に着替えを始めた。