お嬢様になりました。

家に帰り着き、いつもの様に自分の部屋に向かった。



「直ぐにお飲み物をお持ち致します」

「あっ、荒木さん」



部屋まで送ってくれた荒木さんの背中に、慌てて声を掛けた。



「今日は飲み物はいらないです」

「……畏まりました。 ではお食事の準備が整いましたら、お迎えに上がります」



そう言うと荒木さんは、綺麗にお辞儀をしてドアを閉めた。


何か言いたそうな顔してた。


でも何も言わなかったって事は、気をつかってくれたのかな……。


少し休んでから着替えよう。


ベッドに仰向けに倒れ込み、ボーッと天蓋を眺めた。


山口君大丈夫かな……腫れないといいんだけど……。


私は携帯を手に取り、アドレス帳に入っている隆輝の名前を見つめた。


あの時はとにかくムカついてしょうがなかったけど、こうして冷静になってみると、私にも原因はあったのかもしれないと思えてきた。


簡単にあしらっちゃったけど、隆輝の用事は隆輝的に大切な事だったのかもしれない。


それなのに私があんな態度とっちゃったから、あんなに怒ったのかも……。


大切な用事じゃなかったら、わざわざ私の居場所突き止めたりしないよね……?


でもだからって、山口君に八つ当たりしなくてもいいじゃん。