お嬢様になりました。

隆輝にギロリと睨まれた山口君は、ガチッと固まってしまった。


そんなに怯えなくても……。


取って食われるわけでもあるまいし。


そこが山口君の可愛いところでもあるのかもしれないけど。



「何とか言えよ」



ドカドカと近付いてきた隆輝に見下ろされ、イラっとした。


見下ろされる事に我慢が出来ず、立ち上がって隆輝を睨み付けた。


立ち上がっても私が隆輝のバカを見上げる事には変わりなくて、更にイラつきが増していく。



「私が何処で何してようが関係ないでしょ」

「あ? 俺の誘いを断ってまでの用事がこれかよ? ふざけてんのか」



ふざけてんのは今のあんたの態度でしょ!?


本当にムカつく。



「山口君との約束の方が先約だし、あんたとの用事より大切な用事だから」

「こんなしょうもない男との約束がそんなに大事かよ!?」



私と目を逸らさないまま、隆輝が怯える山口君を指差した。


私の事ならまだしも、友達の事を悪く言われるのは我慢ならない。



「しょうもないのはあんたの方でしょッッ!! 今すぐ山口君に謝ってよ!!」

「何で俺がこんな奴に謝んねぇといけねぇんだよ!! 悪いのはこんな男と密室でコソコソしてるお前だろうがよ!!」