お嬢様になりました。

コンクールに出す絵が私なんかでいいの?


と思いつつも、一生懸命な山口君を見ていたら『私でよければ……』と口から出ていた。


私で力になれるなら喜んで協力する。


椅子に座った私を真剣な眼差しで見つめ、手を動かす山口君。


最初は妙に恥ずかしくて落ち着かなかった。


だけどいつも照れて顔を赤くする山口君が、絵と向き合っている時は表情を崩す事はなかった。


それほど絵が大好きで、大切なコンクールなんだなと思った。


だからしっかりしなきゃと思った。



「辛くなったら言って下さいね」

「うん、分かった」



常に私の事を気遣ってくれる。


本当に優しい人だと思う。



「山口君はどうして鳳に入ったの?」

「整った環境で絵が描きたかったんです。 鳳学園は設備が整ってますし、色んな分野でも繋がりがあるので、将来の事を考えたら鳳学園が一番いい環境だと思ったんです」



凄いな。


私なんてそこまで考えて高校選ばなかった。


いける高校で、制服が可愛かったらそれでいいやぐらいだった。


こんな考えで高校決めたなんて、恥ずかしくて言えないよ。