お嬢様になりました。

小さな笑い声が聞こえ、山口君に目を向けると、頬を緩ませ笑っていた。



「山口君がどう思ってても、私は友達だと思ってるよ」

「……あり、がとうございます。 僕も宝生院さんとはお友達だと思ってます」

「ありがとうっ」



もう今更敬語は気にしない事にしよう。


そのうちなくなるだろうし。



「じゃ、俺らはもう行こうぜ。 腹減った」

「私もお腹空いちゃった。 何処かでご飯食べよう」

「そうだね。 山口君、また学校でね」



私もお腹空いた。


お腹に手を当てると、タイミングよくグーっと情けない音が漏れた。


今ならいくらでも入りそうな気がする。



「宝生院さんっっ!!」



山口君に呼び止められ振り返ると、ソワソワしながら顔を真っ赤にしている山口君と目があった。



「何?」

「もし良かったらなんですけど……」

「うん?」

「えと……その……」



相変わらずの様子に笑みが零れた。


この可愛らしさ、隆輝にもわけてあげてほしいくらい。



「ハッキリ言っていいよ」

「お願いがあるんです……」



深呼吸をした山口君は小さな声ながらも、しっかりとした口調でそう言った。