お嬢様になりました。

和やかな雰囲気の中、私だけがテンパってる。


理事長も普通にご飯食べ始めちゃったし……。



「玲がね、理事長の息子って知られるくらいなら、別の学校行くって言い張るものだから、それで学校では私の旧姓を名乗ってるのよ」



わけが分からないまま、箸の進まない私に、佐和さんが落ち着いた声で説明してくれた。



「何で知られたくないの?」

「仕事の事もあるし、贔屓されてると思われたくないから」



なるほど。


そう言われると、納得してしまった。


確かに私も仕事で学校にきてないって聞いた時は、それいいの?って思っちゃったっけ。


しかも学校から許可がおりてるなんて、なんて特別待遇なんだろうって思った。


理事長の息子だって言ったら、余計周りからはそういう目で見られるよね。



「だから僕と玲は学校では赤の他人のフリしてんの。 僕たちが兄弟だって誰かに話してみろ、酷い目に合わせてやるからな」

「そんな事言われなくても、誰にも言いません!!」



和寿さんから思いっきり睨まれ、睨み返したい気持ちを抑えながら、お茶を一口飲んだ。