お嬢様になりました。

「ただいま」



突然後ろから男性の声が聞こえ、一気に場の雰囲気が変わった。


後ろを振り向くと、そこには信じられない人が立っていた。



「遅くなるんじゃなかったの?」

「その筈だったんだが、予定が変わってしまってね。 宝生院さん、いらっしゃい」

「お、お邪魔してます……」

「何故私がここに居るのかって顔をしているね」



そりゃそうでしょ……何で……何で鳳理事長がここにいるの!?


それも『ただいま』って言ってた。


わけわかんない。


鳳理事長は空いている椅子に腰掛け微笑んだ。



「玲は私の息子だよ。 ここまで言えば分かるよね?」

「え!? って事は鳳理事長は玲のおとっ、お父さんですか!?」

「何当たり前な事で驚いてるんだよ。 息子だって言ってるのに、父親以外何があるって言うんだ。 バカなの?」



和寿さんの突っ込みに若干イラっとしながらも、今は言い返すどころじゃなかった。


可笑しいじゃん。


驚くに決まってんじゃん。


だって……。



「苗字が違いますよね?」

「俺本当は鳳」

「じゃあ東條って何!?」

「母さんの旧姓」



鳳理事長に変わって、玲が質問に答えてくれるけど、いつも通りの物言いに余計わけが分からなくなる。


普段はなんとも思わないけど、言葉が足りないのってちょっと困るかも。