お嬢様になりました。

ダメ。


ムカつくけど玲のお兄さんだし、ここで怒っちゃダメ。


でも初対面でこの態度はないでしょ!!



「玲も玲だよ。 こんな女の何処がいいんだよ。 僕にはサッパリわかんないよ」

「兄貴、いい加減にしないと怒るよ」

「気にしてないから大丈夫だよ」

「な、な、なっ、何してんだよ!!」



笑って玲の腕に自分の腕を絡め、寄り添うようにピタッと玲にくっついた。


予想通り、和寿さんは怒りを露わにし指を指しながら慌てふためいた。



「何もしてませんけど?」

「なんて嫌な女なんだ!! 僕の玲から離れろよ!!」

「ちょっ……」



鼻息を荒くした和寿さんが、私と玲を引き離すため、肩をグイグイ押してきた。



「え?」



玲にグイッと腰を抱かれ、引き寄せられた。


そのまま私は玲の胸に倒れこんでしまい、予想外の出来事にあたふたしてしまった。


こ、こんなところでッ。


早く離れなきゃ!!



「ちょっ、玲!?」



離れようとしても、玲がそれを許してくれなかった。



「葵に触れないで」



いつもよりも低く重たい玲の声に、私は動けなくなった。


ま、まさか……本気で怒ってるの?