お嬢様になりました。

「レイに恋人ができないよう、事務所的には気を付けなければなりません」

「誰かと付き合ったらダメなんですか?」

「今のレイは押しも押されもしないトップモデルです。 ですが、スキャンダルはできる限り避けたいのです。 この業界はイメージが大切ですから」



私は一般人だから、芸能界の事はよくわからない。


楽しさも厳しさも、何もかも。


それでもスキャンダルで騒がれたり、仕事に影響する事がどれほど大変な事なのかは、なんとなく分かる。



「すみません……深く考えずに玲についてきしまって……」



ここへ向かう途中の車の中で断る事もできた。


それなのについてきたのは、私の意思だ。


楽しそうだっていう楽観的な気持ちが少なからずあったから、ついてきた。



「此方こそ、嫌な思いをさせてしまって申し訳ありません。 宝生院さんとレイの関係について、複雑な思いはありますが、感謝もしています」

「……感謝?」

「レイをいい方向に変えてくれた事、とても感謝しています。 ありがとうございます」



私は首を横に振った。



「私は何もしてません。 今の玲をつくったのは、玲自身だと思います」