お嬢様になりました。

「何してんだよッッ!!」

「ごめ……っ」



怒鳴られても、それでも安心の方が大きかった。


そっか。


一人で見る花火が辛くて堪らなかったんだ。


家族を失った時の事を思い出す事が、どうしようもなく辛かったんだ。


隆輝は瞳を揺るがせたが、直ぐに私の目を真っ直ぐ見つめた。


腕を引かれ、隆輝の胸に倒れこんだ。


温もりと、激しく動く胸の音が耳に届く。



「泣くな」

「…………」

「迷子になって泣くとか、子供かよ」



子供!?


それはあんたでしょ!?


そう思ったけど、今は素直に隆輝の胸を借りる事にした。


不覚にも落ち着くから。


そして、何故だかもう暫くこのままでいたいと、思ってしまったから。



「ありがとう」

「あ? 何がだよ」

「探してくれて……見つけてくれて、ありがとう」

「当たり前だろうが」



ぶっきらぼうな隆輝の言葉も、今は可愛く聞こえた。


当たり前なんて思ってない。


本当に、心から感謝してる。



「顔上げろ」

「……ヤダ」



涙で崩れた顔を見せられるわけない。


少しは女心を分かってよね、バカ。



「いいから上げろ」

「ッッ!?」



突然隆輝に頬っぺたを挟まれ、無理矢理上を向かされた。