お嬢様になりました。

ドカドカと隆輝が近づいて来て、驚いて見ていると、ぶっきらぼうに手を握ってきた。



「勝手にこいつと手なんて繋いでんじゃねぇよ」

「何、お前今モテ期なの? うけんだけど」

「うっさい竜樹!!」



華まで可笑しそうに笑っちゃって。


でも竜樹の隣で安心しきった様に笑う華は、いつも以上に愛らしかった。



「ずるいわ!! 私も隆輝さんと手を繋ぎたいわ!!」



目を潤ませた橘さんが、ギュッと隆輝の手を握った。


それを見てブハッと吹き出す竜樹。


その気持ちは分からんでもない。



「この人ごみの中流石に四人並んでは、厳しいと思うんだけど……」



華の言うとおりだよ。


どんだけ迷惑な集団なのよ、これ。



「俺が葵と手をつなぐのが普通だろうが。 婚約者なんだからな」

「そんなの関係ない」

「そうですわ!! 私も東條さんの意見に賛成ですわっ!!」



橘さんの必死さが怖い。


華も竜樹も笑ってないで助けて欲しい。



「葵はどうなの?」

「……じゃあ交代でお願いします」

「あ? お前なめてんのか」

「なめてないから!! それが嫌なら繋がない」

「チッ、しょうがねぇな」



そう言いながら手を離さない隆輝。


まずはやっぱりあんたからって事ね。


私は観念して、素直に隆輝と手を繋いだままでいる事にした。