お嬢様になりました。

去年と同じく浴衣姿の華に、甚平姿の竜樹。


ちょっと変わった所と言えば、二人とも少しだけ大人っぽくなったかなってところ。



「今日はごめんね……大人数になっちゃって……」

「気にしないでっ。 葵の友達に会えるのたのしみだよ。 特に海堂君っ」

「おっ! 海堂ってお前の婚約者だろ? マジありえねぇー」



お腹を抱えケラケラ笑い始めた竜樹をギロっと睨みつけた。


好きで婚約者になったわけじゃないっつーの。



「先に言っとくけど、あのお金持ち集団に私たちの常識なんて通用しないからね」

「金持ちっつっても同じ人間だろ? 俺らと大差ねぇよ」

「あまぁーいっ!! 私なんて今でも、は?って思うことあるんだから!! お金持ちは侮れないよ!!」

「おめぇも金持ちだろうがよ」

「……たまたまね」



そう。


私の場合、お祖父ちゃんがたまたまお金持ちだっただけ。


今更お金持ちの常識にはついていけない。



「環境が変わっても、葵はずっと葵だよ。 ね?」



ニコッと可愛い笑顔を向ける華を、思わず抱きしめたくなった。


華って何でこんなにいい子なの?


見習いたいくらいだよ。