お嬢様になりました。

「そろそろ行くね」

「あぁ、気を付けてな。 楽しんでおいで」

「うんっ! 行ってきますっ!!」



家を出ると、いつもの様に荒木さんが車のドアを開けて待っていてくれた。


最初は慣れなかったこの場面も、今ではホッとする場面になっていた。


荒木さんが居てくれる事に感謝と安心を感じる。


車に乗り込むと直ぐに車は走り出した。


外は暗くなり始め、街がキラキラと輝き始めている。



「荒木さん」

「はい、何でしょうか」



硬い口調の荒木さん。


この口調も今では落ち着く。



「帰りはまだ時間が分からないので、分かったらご連絡しますね」

「畏まりました。 皆さんとはぐれてしまわない様、くれぐれもお気を付けください」

「はい、気を付けます」



去年も行った所だし、はぐれてもどうにかなるだろう。


それに大人数だし、はぐれたとしても一人になる事はないと思う。


暫くすると車が止まり、ドアが開いた。



「葵ーっ!!」



華が元気良く車に乗り込んできた。


その後ろには竜樹の姿。


二人を乗せると、車は再び走り始めた。