お嬢様になりました。

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「出来ましたわ」

「うわー……」



メイド長の丸井さんに浴衣を着せてもらい、髪の毛まで結ってもらった。


帯の結び方も可愛いし、髪の毛の纏め方といい飾りといい、凄いとしか言いようがない。


メイド長に出来ない事はないんじゃないかと思う。


メイド長がいつも着ている着物も、自分で着付けしてるんだろうな。



「丸井さん、ありがとうございますっ」

「とんでもありません。 とても良くお似合いでございます」



この家の人たちはみんなこうやって褒めてくれる。


まだ褒められる事に慣れていないせいか、なんだかくすぐったい。



「まだかまだかと居間で旦那様がお待ちでございます」

「あははっ、お祖父ちゃんに見せてきますね」



急ぎ足で居間に向かった。


この浴衣はお祖父ちゃんと一緒に買いに行った。


浴衣をマンションに取りに行くと話したら、誕生日プレゼントのお返しに、浴衣をプレゼントしたいとお祖父ちゃんが言い出したからだ。


そんなつもりで誕生日プレゼントを買ったわけじゃないから、浴衣は買わなくていいと言ったけど、『ワシが葵に浴衣をプレゼントしたいんじゃ』と言い張られ、私が折れるしかなかった。


一度言い出したら聞かないのは、お金持ちの特性なんだろうか。


んー……それともただ単に性格の問題?


未だによくわかんない。