お嬢様になりました。

『よくわかんない。 それでどうして離れなきゃいけなかったの?』と何度聞いてもお婆ちゃんはただ笑ってるだけだった。


今でもハッキリとした事は分からない。


だけど、こうして重忠さんと話をしていて思った事がある。


お婆ちゃんの重忠さんへの深い愛情はちゃんと重忠さんに伝わってたんだって……。



「葵」

「は、はい」

「ワシにお前さんの生活の面倒をみさせてもらえんじゃろうか?」

「え!? それ、どういう意味ですか?」

「生活費はワシが面倒をみる。 じゃから、お前さんはアルバイトを辞めて学業に専念してはどうかのう? またお前さんの身に何かあればワシは菊代や里美たちに顔向けできぬ」



ちょっと待ってよ。


そりゃ生活費に困らず学校に行けたらどれだけ楽か……。


でも……。



「せっかくのお話ですけど、すみませんがお受けできません。 すみません」

「何故じゃ? 」

「私は大石です。 今の私は重忠さんとは何の関係もないんです。 それなのにお世話になるわけにはいきません」



本当は喉から手が出る程魅力的な話だけど、ダメダメ!!


私は頭を下げ、ギュッと目を瞑った。