お嬢様になりました。

「話の続き」

「玲はせっかちだなぁー」



指で肩を突かれ、素早く兄貴の手を払い除けた。


兄貴が女だったらもっとウザかっただろうな。



「宝生院会長の孫娘が高等部に転入してきたぁーって、大学でも凄い騒ぎになったんだよ。 それで色んな人が宝生院さん見たさに、高等部に足を運んだんだ」

「大学でそんな騒ぎになっていたのか。 知らなかったよ」

「それはもうビックリするくらいの騒ぎだったよ。 でも本当に皆が騒ぎ始めたのは、宝生院さんの容姿を見てからかなぁ」



その時の事を思い出しているのか、苦笑いを浮かべる兄貴。



「すらっとした体型に綺麗な顔立ち、だけど笑った顔が堪らなく可愛いぃーって、みぃんな興奮してたよ。 だから大学の中でも宝生院さんを狙ってる人は沢山いるってわけ。 家柄も文句無しだからねぇー」

「…………」

「まぁ僕には関係ないけどさっ。 僕は玲が居てくれるだけで幸せだよぉー」



能天気な兄貴の声が、今程ムカついた事はない。


そんな話をきいて、俺は心中穏やかではいられなかった。



「お前はいつ迄そんな事を言っているつもりだ。 婚約者なり彼女なりを早く見つけなさい」

「父さんのバカー、何でそんな酷い事を言うんだよ!! ねぇ、玲もそう思うだろう?」