葵が車に乗り込むのを見送り、俺も迎えの車に乗って帰路についた。
葵とは何度も手を繋いでるのに、改めて自分の気持ちに自覚を持った後に握った時は、幸せで柄にもなくにやけてしまいそうだった。
「玲様、お帰りなさいませ」
「……ただいま」
家に入るなり俺を出迎えたメイドにそう言うと、メイドは驚いた顔をした。
無理もない。
ここ数年、まともに挨拶すら返さなかったんだからな。
葵を見ていたら、相手が誰だろうと挨拶はした方がいいんじゃないかと思えた。
「れぇいぃぃぃー!! おっ帰りぃーっ!!」
リビングに入るなり、でかい声に迎えられた。
いつもの事だ。
「……ただいま。 居たんだ」
「れ、玲……今何て言ったんだい!?」
「居たんだ」
「ちっがぁうっ!! その前だよっ、その前ーっ!!」
「……ただいま」
口元に手を当て、大袈裟に目を潤ませる兄、和寿(カズト)。
毎回こうもテンションが高くて暑苦しい奴は、早々居ないと思う。
「父さん聞いた!? 聞いてたよね!? 今僕の玲が僕に『ただいま』って言ったよ!!」
「ははっ、聞こえてたよ。 珍しい事もあるものだな」
母さんと一緒にソファーに腰掛けて居た父さんが、テレビを見ながら可笑しそうに言った。
「やっと僕の愛が伝わったんだねっ!!」
兄貴にガバッと勢いよく抱きつかれ、首を掴み無理矢理引き離した。
葵とは何度も手を繋いでるのに、改めて自分の気持ちに自覚を持った後に握った時は、幸せで柄にもなくにやけてしまいそうだった。
「玲様、お帰りなさいませ」
「……ただいま」
家に入るなり俺を出迎えたメイドにそう言うと、メイドは驚いた顔をした。
無理もない。
ここ数年、まともに挨拶すら返さなかったんだからな。
葵を見ていたら、相手が誰だろうと挨拶はした方がいいんじゃないかと思えた。
「れぇいぃぃぃー!! おっ帰りぃーっ!!」
リビングに入るなり、でかい声に迎えられた。
いつもの事だ。
「……ただいま。 居たんだ」
「れ、玲……今何て言ったんだい!?」
「居たんだ」
「ちっがぁうっ!! その前だよっ、その前ーっ!!」
「……ただいま」
口元に手を当て、大袈裟に目を潤ませる兄、和寿(カズト)。
毎回こうもテンションが高くて暑苦しい奴は、早々居ないと思う。
「父さん聞いた!? 聞いてたよね!? 今僕の玲が僕に『ただいま』って言ったよ!!」
「ははっ、聞こえてたよ。 珍しい事もあるものだな」
母さんと一緒にソファーに腰掛けて居た父さんが、テレビを見ながら可笑しそうに言った。
「やっと僕の愛が伝わったんだねっ!!」
兄貴にガバッと勢いよく抱きつかれ、首を掴み無理矢理引き離した。


