お嬢様になりました。

重忠さん……。



「私の、お、お祖父ちゃん……ですよね?」

「そうじゃな、お前さんがそう思ってくれるなら」

「…………」



お祖父ちゃんの言葉に私は何て答えたらいいか分からなかった。


お婆ちゃんの初恋の人で、お婆ちゃんの旦那さんだった人。


お婆ちゃんは最期までお祖父ちゃんの事を思ってた。


だけど、お母さんは違った。


お母さんはお祖父ちゃんを恨んだまま死んでしまった。



「あの、ここって病院ですよね?」



自分の腕に刺さっている点滴の針を見ながらそう尋ねた。


針は動かないように、しっかりとテープで止められている。



「お前さんは倒れたんじゃよ。 過労だそうじゃ」



そうだ。


自転車で帰ってたらクラクラし始めて、道路で倒れちゃったんだ……。



「でもどうして、重忠さんがここに?」



重忠さんは目を伏せると眉を寄せぎこちなく笑みを零した。



「ずっと、お前さんの事を見ておった」

「え?」

「里美(サトミ)たちが事故で死んで、一人になったお前さんをずっと気にしておったんじゃ」



ずっと見守ってくれてたの?


私の事を?