お嬢様になりました。

「葵さん、海堂さん」



真っ赤なロングドレスに身を包んだ芽衣は、普段の姿からは想像出来ないくらい、妖艶で綺麗だった。


いつも綺麗だけど、着てるものが違うだけでこんなに雰囲気って変わるんだ。



「お二人でいらっしゃるとは思いませんでしたわ」



そう言いながら、芽衣の視線は私と海堂の絡まった腕に注がれていた。


しょうがないかと思い腕を組んだが、芽衣の視線に落ち着かない気持ちになり、バッと手を離した。



「か、海堂!?」



海堂の腕が腰に回り、グッと引き寄せられた。



「ま、こういう事だ」

「そうでしたの。 とってもお似合いですわ」



お似合い!?


私と海堂が!?



「そんなわけない!!」

「そんなにご謙遜されずともいいじゃありませんか。 美男美女でとってもお似合いだと思いますわ」



謙遜なんてしてないよ……。


しかもそういう意味でそんなわけないって言ったんじゃないし……。


私たちは芽衣と別れ更に奥へと進んだ。



「ほら」

「ありがとう」



紙ナプキンに包まったガラスのグラスの中には、オレンジジュースが入っていた。


流石にお酒が入ってるわけないか。



「隆輝さん」



小さな女性の声が聞こえ、名前を呼ばれた海堂が振り返った。


つられる様に私も振り返ると、そこには青い目をした女の子が微笑みながら立っていた。