お嬢様になりました。

学校に着き門を潜ると、いつもよりも華やかな雰囲気に圧倒された。


制服を着てても豪華な皆は、今日は本領発揮しているかの様に、更に煌びやかだった。



「緊張してんのかよ?」

「……してない」



嘘。


緊張しないわけない。


踊りは一通り荒木さんに教えてもらった。


荒木さんも褒めてくれた。


だけどだからって今日上手く踊る自信ない。



「行くぞ」

「あっ……」



海堂に手を握られ、急かされる様に足を一歩踏み出した。


不覚にも、海堂の堂々とした後ろ姿は、私に安心感を与えてくれた。



「うわ……」



海堂と二人で辿り着いた場所は、普段は滅多に足を踏み入れる事のないダンスホールだった。


広い。


ホールスタッフまでいるし、あそこに固まって楽器を持ってる人たちってまさかのオーケストラ?


たかだか学校行事で……無駄使い……。



「おい」



海堂は顎をクイッと動かし、腕を絡める様にと促した。



「早くしろ」

「はいはい」



海堂と腕を組み、私たちはダンスホールの中へとどんどん足を進めた。