お嬢様になりました。

「ヤキモチ、妬いたんだと思うよ?」

「……ヤキモチ?」



海堂が?


あの海堂が……ヤキモチ?



「あははっ、そんなわけないじゃん!!」



華は人差し指をビシッと伸ばすと、そのまま私の顔を指差した。


私は目を見開き固まった。



「海堂君が怒って葵を教室から連れ出す前、葵は玲君にお菓子あげたんだよね?」

「う、うん。 そうだよ」

「それに玲君の事は名前呼びなのに、海堂君の事は苗字呼びだよね?」

「う、うん……」



華が何を言いたいのかさっぱりわかんない。


それがいったいどうしたっていうの?



「ここまで言ってあげてるのに何その顔ー!! もう、信じられなぁいっ!!」



華はガックリ肩を落とし、椅子に深く腰掛けた。


やっぱり訳がわかんなくて、私は首を傾げるしか出来なかった。



「彼氏ができたら婚約破棄してやるーって言ってた人がそんな事で怒るのって、可笑しいと思わない?」

「プライドが高いから、よくわかんないけど癇に障ったんじゃない? 婚約者らしい振る舞いしろって思って怒ったのかもしれないし」



うん、そうだ。


絶対そうだよ。


何で今まで気が付かなかったんだろう。


あいつのあの態度に慣れすぎて、プライドがムカつくくらい高くてどうしようもない奴だって事、すっかり忘れてたよ。


だけど私が何を言っても、華は納得した様な顔をする事はなかった。