お嬢様になりました。

華に真っ直ぐ見つめられ、私は目をそらす事が出来なかった。



「海堂君ってただの暴君じゃないと思う」

「え?」



いやぁ……あれは完璧ボンボン暴君でしょ……。


水零されただけでブチ切れるは、急に怒って人を連れ出したり……自己中極まりない。


毎回怒ってる理由だってよくわかんない。



「海堂君は葵に絶対本気だよ」

「それは絶対にありえない」

「何でそうはっきり言い切れるの? ふざけて葵に婚約者になってほしいって、言ったわけじゃないんでしょ?」

「それはそうだけど……」



最初から海堂はふざけてはいなかった。


真剣な顔……っと言うか、少し寂し気で弱々しくて、放っておけない雰囲気だった。


今日もそんな感じだった。


少し変わったと言えば、以前よりもどこか熱っぽくて……男を感じさせた。



「海堂君が怒るのにだってちゃんと理由があると思う」

「理由? そんなのないと思う」



私の態度が気に入らないっていうのはあるかもしれないけど、あそこまで怒らせる程酷い態度をとってるわけじゃない。


でも無理矢理にでも理由を探すなら、それ以外考えつかなかった。