お嬢様になりました。

自分の意思じゃないとしても、この短期間で二人の男とキスをしてしまった。


少なからず私にも隙があったのかもしれない。


いや……隙だらけだったかも……。


そう思うと、余計華には本当の事を話せないと思ってしまう。



「そのままだと海堂君と本当に結婚しちゃいそうだよね」

「やぁめぇてぇー!! 私は好きな人としか結婚しない」

「玲君?」

「な、な、何でそこでれ、玲の名前が出るわけ!?」



玲の名前に思いっきり動揺してしまい、頭の中が一気にこんがらがった。


上がっていく心拍数。


そして全身が熱くなっていく。



「素直が一番だよ?」

「だ、だって……玲はそんなんじゃない……から……」

「あんなに綺麗な顔してるんだよ? もたもたしてると取られちゃうからね」



華の指さす方を見ると、玲の大きなポスターが貼ってあった。


クールで人間味のないくらい綺麗な顔と体。


ポスターに写っている玲は、初めて図書室で会った時の玲を連想させた。


本当は見た目よりも優しくて、面倒見のいい人。


私だけしか知らない玲なのか……それとも他の誰かも知っている玲なのかは分からない。


私はまだ何も知らない、玲の事を……。