お嬢様になりました。

何でここまで詳しく話しちゃったんだろう。


知ってほしかったから?


それとも、婚約の話をなかった事にしてもらいたいから?


自分でもよく分からない。



「納得した」

「え?」

「お前みたいな女、俺の周りにはいないからな。 たとえ庶民出でも、お前の血は血統書付だろうが。 違うのかよ」



血統書付って……。



「犬や猫みたいな言い方しないでよね」

「犬、猫の方が俺らなんかよりよっぽどいい。 あいつらは自由だ……俺らなんかよりずっと……」



まただ。


またこの辛そうな顔。


ムカつく奴だけど、放っておけなくてつい気にかけちゃうのはこの表情のせいだ。



「俺は長男で、生まれた時から将来が決まってる。 親は好き勝手させてるつもりだろうが、窮屈でしかたねぇよ」



お祖父ちゃんは私には好きなようにすればいいって言ってくれてるけど、こいつはそうもいかないのかもしれない。


私には分からない何かを背負って生きてるんだ。



「決まった未来なんてないよ。 新しい道を作りたいから、私に婚約者の役を頼んだんじゃないの?」

「……そうかもな。 海堂グループを担う覚悟は出来てる。 その時までにお前を手に入れる、絶対に」